第10回 研究大会
1.大会趣旨
日本福祉介護情報学会は2000年6月に設立され、今年で10年目を迎えます。したがって今回の研究大会は10周年記念大会となります。これまでの大会テーマを通覧すると、
・第1回 2000年度 21世紀の情報化福祉
・第2回 2001年度 21世紀 福祉介護の情報化グランドデザイン
・第3回 2002年度 福祉介護情報提供の新段階~第三者評価,苦情解決,情報開示は新しい福祉の地平を切り開くか~
・第4回 2003年度 地域ケアのシステム化と情報~『地域包括ケア』を支える情報化をめざして~
・第5回 2004年度 地域ケアを支える情報システムとITの未来
・第6回 2005年度 福祉情報化のNext Stage~情報化福祉へ~
・第7回 2006年度 福祉・介護の実践としての情報の活用~記録をめぐる新たな取り組み~
・第8回 2007年度 祉介護情報の新地平を拓く~情報提供・開示と選択・活用のフロンティア~
・第9回 2008年度 当事者・利用者の生活支援としての福祉情報化
となっており、時宜にかなったテーマを設定してきたといえます。
ところで、介護保険によるサービス提供も今年で10年目になります。この間、制度の見直しや微修正を行いつつ着実に実績を積み重ねてきているといえます。2000年と比較すると、第1号被保険者数が1.27倍になったのに対して、要介護(要支援)認定者数2.08倍、介護サービス受給者数2.49倍、居宅サービス(介護予防、地域密着を含む)受給者数2.98倍、介護給付費2.45倍を数えています(いずれも、『平成21年版厚生労働白書』)。しかし日本社会の高齢化は、いわゆる「団塊の世代」が高齢者になる2015年、さらには彼らが後期高齢者になる2025年に向けて、急ピッチで進んでいくため、それに対応する更なる要介護高齢者対策を推し進めていく必要があります。
その切り札として注目されているのが「地域包括ケアシステム」です。以前から「地域包括ケアシステム」の必要性は議論されていましたが、2003年6月に報告された厚労省・高齢者介護研究会報告書『2015年の高齢者介護』で目指すべき方向性が整理され、さらに2009年3月に公表された『地域包括ケア研究会報告書 ~今後の検討のための論点整理~』において、具体的なシステムイメージと展開プロセスが明示されたといえます。
しかし、地域包括ケアシステム構築のためには、まだまだ解決すべき課題が山積しています。例えば、福祉・介護・医療・看護・リハ・保健等の連携をどのように構築するのか、地域住民によるインフォーマルサポートをどのようにシステムに採り入れるのか、これらを支える情報システムはどうあるべきか、またそこで行われる多職種連携による情報の共有化のための共通ツールはどうあるべきか、等々です。
そこで、第10回記念大会は、「地域包括ケアを支える情報システムの課題と展望 ~日本福祉介護情報学会の10年とこれからのあり方~」をテーマに、研究と実践の両側面から、最先端の議論を展開したいと考えています。
関係者や関心を持つ多くの方々の積極的な参加を期待しています。
2.テーマ
「地域包括ケアを支える情報システムの課題と展望~日本福祉介護情報学会の10年とこれからのあり方~」
3.主催
日本福祉介護情報学会
4.開催校
5.日時
2009年12月13日(日) 10時00分~17時00分
6.会場
■住所:〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
■電話:03-3985-2202
7.プログラム
9:30~ 受付開始
10:00~12:00 自由研究発表
12:00~12:50 昼食
12:50~13:20 学会総会
13:20~13:30 休憩
13:20~13:30 記念講演(日本福祉介護情報学会代表理事 高橋紘士氏)
「日本福祉介護情報学会の10年とこれからのあり方~地域包括ケアを支える情報化を巡って~」
14:20~14:30 休憩
14:30~17:00 シンポジウム「地域包括ケアを支える情報システムの課題と展望」
【パネリスト】
・地域連携のための情報共有の課題と展望(地域連携パス) 筒井孝子(国立保健医療科学院)
・地域包括ケアを支える情報ネットワーク技術の将来展望 前田みゆき理事(日立製作所)
・地域ケアにおける自立とインフォーマルサポートへの情報支援 小川晃子理事(岩手県立大学)
・地域包括ケアにおける行政の情報化の課題と展望 東内京一氏(厚労省老健局総務課課長補佐)
【コーディネーター】 生田正幸理事
【コメンテーター】 高橋紘士代表理事
17:00~ 次回研究大会について
17:30~ 懇親会
8.開催要綱・参加および自由研究発表の申込用紙
・日本福祉介護情報学会 第10回研究大会 開催要綱(PDF)