第6回 研究大会
1.大会趣旨
1990年代以降、わが国の社会福祉は計画的な資源整備を進めてきました。とくに2000年以降の社会福祉基礎構造改革によって、民間事業者のサービス事業参入、ケアマネジメントシステムの導入、利用者によるサービス選択などが一定程度可能になってきたところです。また、それに応じて、要援助者のサービス利用意識も向上し、サービスの利用も飛躍的に促進されてきました。
一方、先の介護保険制度改正や障害者自立支援法制定論議の過程でも明らかになってきたように、サービスの増加にかかわらず、これらのサービスが個々人のニーズに総合的に対応していないこと、フォーマルサービスとインフォーマルサポートの有機的な連携が図れていないこと、不要なサービスを組み込んだケアプランが散見されることなどが指摘されています。
これらの課題への対応策として、介護保険制度改正では、ニーズ発見・権利擁護・インフォーマルサポートとの連携などを含めた一連の問題解決プロセスをシステム化するための相談調整機能の強化とそのための社会福祉士の配置、ケアマネジャーへのスーパーバイズを行い困難ケースへの対応を支援する主任ケアマネジャーの配置、介護予防マネジメントを行う保健師の配置などを狙いとした地域包括支援センターを新設することになっています。
一方、企業や自治体経営の場面において、エンタープライズ・アーキテクチャ(enterprise architecture /EA)という考え方が重視されるようになってきています。EAは、簡単に言えば、複雑化した組織(企業や自治体など)の仕組や役割を、それぞれ個別に機能向上させてきた結果、全体としての最適性にかける状態を生み出したことに対する見直しとして、「部分最適」から「全体最適」へと、組織機能の再編強化を図る取組みあるいは考え方ということができ、とくにバラバラに構築された情報システムの標準化や統合化の取り組みをさすことが多いようです。
今年度の日本福祉介護情報学会研究大会は、「福祉情報化のNext Stage-情報化福祉へ-」を大会テーマにして、こうしたEAの考え方を「地域福祉の総合化」に取り入れることの可能性について探ることにしたいと考えています。
関係者や関心を持つ多くの方々の積極的な参加を期待しています。
2.テーマ
「福祉情報化のNext Stage~情報化福祉へ~」
3.主催
日本福祉介護情報学会
4.開催校
5.日時
2005年12月3日(土) 10時00分~17時30分
6.会場
■住所:〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
■電話:048-471-7283
■FAX:048-471-7283
■E-mail:jissi-mail@e-wel.ne.jp
7.プログラム
9:30~ 受付開始
10:00~12:00 自由研究発表
12:05~12:45 昼食
12:45~13:15 学会総会
13:15~13:30 休憩
13:30~14:00 基調報告 「福祉介護の動向と福祉情報化のNext Stage~大会テーマ設定の狙い~」
・日本福祉介護情報学会代表理事・立教大学 高橋紘士氏
14:00~15:00 情勢報告 「介護サービス情報の公表~介護サービスの情報開示の標準化~」
・社団法人シルバーサービス振興会企画部 久留善武氏
15:00~15:10 休憩
15:10~17:15 課題提起 「福祉情報化のNext Stage~情報化福祉へ~」
■「課題提起の趣旨と聞き方」
・㈱NTTデータ技術開発本部システム科学研究所 川森茂樹氏
■「日本におけるEAの現状~地域福祉への適用可能性~」
・㈱日立製作所ビジネスソリューション部 前田みゆき氏
■「地域福祉システムにおける全体最適~EA概念の適用可能性~」
・大正大学人間学部人間福祉学科 長倉真寿美氏
17:15~17:30 閉会・大会事務局より連絡
17:45~ 懇親会