本文へ移動

お問い合わせ 入会・論文誌購入などお気軽にお問い合わせ下さい。

設立趣意

 介護保険制度の創設や社会福祉法の制定などにみられるように、今日の社会福祉は、地域福祉を基調として大きな変化の時期を迎えており、とくに、ニーズの多様化・高度化に対応して、「誰でも、いつでも、どこでも、必要に応じて」福祉・介護サービスを利用できる体制の整備が強く求められています。
 こうした動きは、福祉・介護に関する歴史的な改箪ととらえることができますが、その推進にあたって「情報」の果たす役割に注目が集まっています。とくに、急速に発達する情報通信技術を活用し効果的・効率的なサービスの提供・利用を図ろうとする様々な取り組みや、福祉・介護サービス利用における契約化の進展にともない利用者本位のあり方を保障していくために不可欠な情報提供、情報開示、苦情対応、権利擁護、サービス評価などといった取り組みなど、福祉・介護と情報の新しい関係を示す動きが活発に見られるようになってきています。
 また、情報通信技術の発達は、障害者や高齢者の社会参加に新たな可能性を開くとともに、デジタル• デバイドへの対応や情報バリアフリー、ユニバーサルデザイン化の必要性など次々と新たな課題を生んでおり、新たな福祉課題にもなりつつあります。
 さらに、保健・医療、社会保険、労働・雇用、教育、建築・都市計画などの関連領域においても、福祉・介護と密接なかかわりを持つ情報化の取り絡みが急速に拡大しています。
 こうしたことから、新しい福祉・介護のあり方を構築していくうえで情報化への取り組みが不可欠であるとの認識や問題意識を多くの人々が持つようになりましたが、福祉・介護の情報化について成果・問題点・課題などを共有しオープンに議論する場や、関係者が相互に交流・支援する場が不足し、情報化を推進していくうえで大きな障壁となっていました。
 そこで、福祉・介護の情報化について研究・討議を行い、福祉・介護領域における情報化を積極的に推進し、福祉・介護サービスの高度化を図っていくことを目的として、「日本福祉介護情報学会」の設立を図ることとしました。福祉・介護に関わる実践者、研究者、行政関係者、情報通信領域の関係者など、福祉・介護の情報化に関心と熱意を持つ多くの方々の参加と協力をお願いする次第です。

 

2000年6月

日本福祉介護情報学会

代表理事 高橋紘士